鍼灸師といっても、みんな同じ施術をするわけではありません

 

鍼灸師が100人いれば100通りの流派があると言われています。

鍼灸師といっても、みんな同じ施術をするわけではないのです。

 

もちろん、日本において鍼灸の資格を取得するには厚生労働省から認可を得た専門学校で

3年間(週6日、もしくは5日の通学制)、学んだ後に国家資格の受験資格を得て、

国家試験に挑み、鍼灸師になります(鍼灸大学は4年間で、3年修了時に受験資格を得られれば

受験できると聞いたことがあります)。

 

一番基礎となる部分は同じ教科書を使って、

基礎医学(解剖学、生理学、病理学、病気の種類など)、鍼灸の歴史、関係法規、

鍼灸の知識や技術を一通り学びます。

鍼や灸を人に施すに当たって、最低限度のことを学校では学びます。

 

難しい方の国家試験ではありませんが(私は苦労しましたが…)、

全員、同じ13科目の試験を受けなければ鍼灸師になれないという点は、

ベースとなるところが標準化されているので、これは良い点だと思います。

誰でもある日、突然、鍼灸師です!という風にはなれません。

 

しかし、最低限度の鍼灸学を学んだ後は、その鍼灸師の考えによって、

進む道が違ってきます。

 

鍼灸師によって、鍼の打ち方、鍼治療に対する思いは様々です。

お灸を使う人、使わない人というのもありますし、また使うお灸の種類も違います。

 

学びたい流派に属する人、師匠に付く人、独学やって行く人、職場で先輩から学ぶ人、

いろいろです。

 

たとえば、同じ師匠に付いた人でも、各々によって学んだことがその人の中で消化され、

各々の治療に対する考え方が加わり、また他の講習会で学んだ技術でアレンジされたり、

各々の人間性から滲み出るモノも付け加えられ、

臨床で出会うクライアントさんによって、経験値も変わり、

師匠とも兄弟弟子ともまた違った味わいになります。

 

 

そして私も師匠の元に付きました。

 

かく言う私も厳しい厳しい師匠の下に付いていました。

基本的には最初に付いた師匠の施術法を未だに使い続けているものの、師匠の元を離れて、

興味を持った講習会に参加したり、実際に患者さんの施術をする中で学んだりして、

施術スタイルが随分、変化してきています。

 

最初に付いた師匠は背中のツボを8穴~10穴ほど取り、そこに浅めに鍼をし、

その刺鍼部のすぐ傍にお灸を据えていました。

筋肉にアプローチというより、どちらかというと気を流すというタイプの鍼でした。

 

私もそこは同じです。

ただ、師匠よりはもう少し深いところ、筋肉にアプローチします。

そのあと、鍼を少し上下に動かして、筋肉のコリにズーンと響きを与えます。

この響きが凝り固まった筋肉に刺激を与え、血行が良くなっていきます。

 

師匠は鍼灸の後、ほとんど揉んだり押したりしない人だったのですが、

私は後揉みをしっかりしますし、足圧健康法も取り入れています。

時にはストレッチもかけます。

私の後揉みマッサージは、様々な講習会に参加したり、先輩の技を見て学んだり、

同僚と練習し合う中で、独自にアレンジをし、作り上げたものです。

 

 

誰が一番優れた鍼灸師だというのはありません。

 

似たタイプの治療をしていたる人はいるかもしれませんが、

私と全く同じやり方の治療をしている人はきっと世界中に一人もいないでしょう。

私は私の施術に自信を持っています。

だからと言って、私の治療が誰よりも一番とは思ってはいません。

 

他の鍼灸師に関してもです。

誰が一番ということはありません。

 

私と相性の良い方もいるし、残念ながら合わない方もいる、

私とは違うやり方の施術をしてとても良い結果を出している鍼灸師・他の療法の治療師も

たくさんいることでしょう。

 

 

しかし、クライアントさんに対して、今、思いつく限り、

持っている技術の中で最大限ベストの施術をしています。

もっとこうしたらいいのではないかと、足りない知識を補うこともあります。

 

他の鍼灸師たちもまた日々研鑽を重ねていることでしょう。

人それぞれ味わいは違います。

 

 

まとめ

 

『鍼灸』と一言で言っても、鍼灸に対する考え方、打ち方、クライアントさんとの

向き合い方、性格、経験値、それぞれ違います。

 

百人百色の施術があります。

 

鍼灸を一回どこかで受けただけで、全然効果がなかった、もしくはあまり良い思いを

しなったという方がいたとしても、それが『鍼灸』の全てではないことを

知って欲しいと思っています。

 

以前、受けたことがある方も、まだ鍼灸施術を受けたことがない方も、

どこかおつらいところがあったら、ぜひ鍼灸を受けてみてください。

 

おつらいところがなくても、健康維持のためにも鍼灸治療は効果的です。

鍼をすることによって、免疫力が高まる効果もあります。

風邪をひきにくくなる、風邪をひいても治りが早い、自律神経を調整することができるなど、

鍼灸には良い面がたくさんあります。

 

鍼灸施術の技法の相性、人の相性もありますので、

一回だけで鍼灸はあまり効かないと思わず、

他の鍼灸師とも出会う機会を得て頂きたいと思っています。