ゆっくり押して、ゆっくり抜く。

以前、指針整体のことを書いたのですが、他にベースになっている施術、浪越系指圧のことを書きます。

浪越学園に通ったワケではありません。念のため。

 

鍼灸学生時代に人の身体を診る仕事として、触診マッサージを学ぼうと思っていた時期があります。

その頃に、中央接骨師会という整骨師の組合主催で手技療法の講習会をしているのを見つけました。

記憶が確かであれば、15万円ほどで半年、毎回4時間ほど指導して頂けるというロープライスの講習会でした。

本当にきちんとした先生が教えてくれるのだろうか?と少し心配していましたが、私の担任の先生は浪越指圧を卒業した、とても真面目な先生で、懇切丁寧に指導してくださいました。

 

そこで、手技マッサージを60分間、自分なりに手技を組み合わせて作り上げるというところまで持って行って頂けました。

今でこそ、「60分間のマッサージをしてください」と言われても、特に何も考えずに施術することができますが、当時は60分も施術する!って何をやるの?どうするの?という感じでした。

 

指針整体と真逆の浪越系。どちらも必要な手技マッサージ法。

とてもベーシックなゆっくり押して、ゆっくり外していく浪越系指圧。

それは指を置いて、素早く引くことを意識する指針整体とは真逆を行くやり方で、指針整体を学んだ後に習いに行った私には、最初は身体が慣れず、先生にいつも

「ヒラタさんの押しは早すぎる」と注意されていました。

しかし、それもだんだん慣れ、浪越系指圧の良さも分かるようになってきました。

 

そして、身体の部位、不調の具合によって手技を使い分けるということをできるようになりました。

適材適所という言葉があるように、手技にも適材適所というものがあるというのも、臨床を重ねて行くうちに分かってきました。

 

コリに対して置いて引くをイメージする指針整体と、コリに対して持続的に圧を与えゆっくり抜いていく浪越指圧。

対極の手技ですが、どちらも私の治療には欠かせないものです。

その方の身体の状態を診て、どの部分にどの手技を使うかというのは変える必要があります。

 

背骨の際を攻める

そして、その後、鍼灸学校卒業が間近になり、就職活動をする中で、恵比寿のとある鍼灸接骨院で働きませんか?という話になりました。

数日間、研修に行くことになりました(結局、他の治療院のお仕事の話があり、そちらで働くことになりましたが…)。

そこで、研修をしてくださったのが、その後、恵比寿千手堂を開業された酒井先生でした。

酒井先生に背骨の両サイドの際を徹底的にほぐすことを教えて頂きました。

酒井先生にはとにかく際をしっかり攻めるということを教わりました。

その時は実技指導だけだったので、なぜ背骨の際なのか?というのは深く考えていませんでした。

しかし、その後、臨床を重ねて行くうちに、背骨の際を施術すると治療効果が高いということが分かってきました。

 

背骨の際がほぐれると自律神経が整う

背骨の際は背中にあるたくさんの筋肉の出発点となっています。

下記の図はその筋肉の中の一部です。

図に書いてあるだけでも、棘突間筋、頚棘筋、外肋間筋、棘筋、最長筋、腸肋筋。

そのほかにも有名な筋肉、首の方で言えば頚板状筋、頭板状筋、肩だと僧帽筋、肩甲骨まわりだと肩甲挙筋、大・小菱形筋、腰の方に行くと大腰筋、腰方形筋などなど、本当にたくさんの筋肉が背骨に付着しています。

(図は『背骨と骨盤の筋肉をほぐして必ず健康になる本』より)

筋肉の付着部は腱と筋肉の移行部で、とても硬くなりやすいです。

腱は、骨を動かす為の筋肉と骨とを結び付けています。

 

背骨の際はたくさんの筋肉の付着部であり、また背骨の際からはたくさんの神経が出ています。

その中でも私が意識しているのは、背骨の34~35の椎骨の孔(あな)から自律神経です。

自律神経は身体の各部、各臓器を支配しています。

 

つまり、身体の各部をつかさどる自律神経の出口である背骨の際をゆるめることによって、身体の不調は改善されます。

たまたま研修で習った背骨の際を狙うという方式なのですが、その研修後も背骨の際のことが気になり、背骨の際をターゲットとする施術を鍼灸でも取り入れるようになりました。

これがとても治療効果が高いのです。

長くなりましたので、またの機会にこの続きを書きましょう。

 

 

まとめ

手技マッサージの仕方は、適材適所。

私は、その方の体質・体調・部位によって、テクニックは使い分けています。

また、背骨の際を緩めることによって、自律神経の乱れを取り、背中のコリを取ると首、肩、背中、腰、脚などその部位をターゲットとしなくても、背骨の際で痛みは緩和されていきます。

手技や鍼灸によって、背骨の際をゆるめると、背中の筋肉のこわばりが取れて、痛みだけでなく、体調の不調も取れていきます。