鍼学校にも定期テストがあり、追試もあります!

鍼の学校にも定期テストがきちんとあって、筆記試験、実技試験があり、クラスの中で自分の順位が分かったり、合格点まで行かないと追試もありました。

私の場合、鍼の学校は大人になってから自分で行こうと思って入った学校なので、10代の頃よりも真面目に勉強していたせいか、筆記試験でひどく悪い点数を取ったことはありませんでした。

しかし一度だけ実技試験で不合格になったことがあります。当時は、なぜ不合格になったのか腑に落ちない、悔しいと思ったものですが、今思えばあの時に不合格になり追試をして頂いたおかげで、後々の卒業試験を乗り越えることができたり、臨床にも生かされていると思うと、”あれは良かったんだ!”と今は素直に思えます。

追試になると追試チケットというのを事務室(その奥に職員室がある)の券売機に買いに行くことになります。私もこの実技試験の不合格で一度だけ屈辱の追試チケットの購入に行きました。まぁこれも経験かと…。

 

鍼灸学校定期テストの追試チケット購入常連の先輩

鍼灸学生時代、アルバイトの求人票を見に行ったり、先生に質問に行くことが多かったので、私はよく事務室に出入りしていました。その時、私の1学年上の50代くらいと思われる恰幅の良い男性がこの追試チケットをよく買いに来ているのを目撃していました。


見ようと思って覗き見ていたわけではなく、本当にしょっちゅう買っているので「あ、また買ってる!」と思って見ていました。追試の常連さんなのだなと。

 

数年経って卒業し、仲の良い先輩と会う機会がありました。
恰幅の良い追試チケットを良く買いに来ていた男性と同じクラスだった先輩です。

「あの追試チケットをよく買いに来ていた男性の先輩は今、どうされていますか?」と聞くと、

「あぁ彼は卒業後すぐに○○駅近く(山手線内の大きな駅)で開業をして、

随分、治療院が流行っているみたいだよ。

分からないものだね。いつも進級ギリギリだったのにね。

学校の成績と経営は別物だね。恰幅が良くて、年もそれなりに行っていて、

正しい正しくないは別として…

物事を言い切るところがあるから患者さんへのウケが良かったのかな」

とのこと。

むむ。
むむむむむむ。

 

成績優秀者のNくん


私は3年生に進級する時、夕方から夜に掛けてのアルバイトに入りたかったので夜間部から昼間部に転部しました。

国家試験受験の学年だったので、昼間部のクラスメイトは受験勉強に忙しくあまり興味を持たれることもなく授業を受けていました。

その中にいてクラスに慣れない私に声を掛けてくれた20代前半の青年Nくんがいました。

「ヒラタさんは癒し系ですね。足りないのは知識と技術だけだ^^」とね。
(一瞬、喜んでしまいましたが、コレってもっと勉強しなさいってことですよね…^^;)

その彼Nくんはアルバイトをいくつも掛け持ちしながら、学校に通っていました。

学校の行き帰りにNくんに会うと、いつも教科書や参考書を読みながら歩いていました。
そういう時は声を掛けずにそっと背中を見ていました。
それは現代の二宮金次郎のように…。

こんな人まだいたのか!と思うくらい。車に引かれそうになりながら、参考書を読み歩いていました。もちろん成績は優秀で、人柄も良く、言うことなしです。

卒業式には壇上に上って成績優秀者として表彰され、難関の国立大学付属の鍼灸研究所に進学しました。

彼の治療なら是非受けてみたいと思いました。

 

それから一年経つか経たないか、私が当時勤めていた治療院で求人募集をすることになり、従業員全員、思い当たる治療師に連絡してお金をかけずに人探しをすることになりました。

私もNくんがもしかしてアルバイトで来てくれるのではないかと思い、電話をしてみました

「うちの治療院でアルバイトを募集してて、土日どっちかでもいいんだけど来れないかな?」

「僕、廃業したんです。研究所も辞めました。なので、ヒラタさんのお誘いはとても有難いのですが、こういうお話はもう…」

とても驚きました。

理由は「指を怪我して」という話だったのですが、私が「指一本ダメでも他の指も反対の手の指もあるでしょう?大怪我ではないんだよね?」と言うと、

「もういいんです。もう治療の世界に戻る気はありません」

の一点張りで、もう私が何を言っても無駄だと判断しました。

 

指の怪我以外に何か他の理由があったのかもしれません。私はそれ以上は聞きませんでした。

 

やる気がなければ、知識も技術も何の意味もありません。

 

ヒラタ的まとめ


追試チケットの常連さんと成績優秀者のNくん。


対照的な二人がこんな風なカタチで対照的になるとは、国家試験の受験勉強で人生始まって以来の座り過ぎの為、痔に苦しんでいたあの頃の私には全く想像ができなかったことです。

人生なかなかいろいろです