先輩鍼灸師N先生の治療院でお手伝いさせて頂いていました

 

私が鍼灸師になる以前から親しくしていただいているN先生という方がいます。

鍼灸の学生だった頃、先生の治療院の事務のお手伝いをしながら、

時々、お話を伺って勉強させて頂いていました。

 

 

N先生は視力と聴力に障がいをお持ちです。

ハンディキャップはお持ちですが、それを忘れさせるほどの才能と技術に溢れている方です。

 

また見た目は、

骨太の筋肉質な身体、なんだかホンモノさんぽいサングラス、

角刈り、ドスの効いた喋り方、一見なんだか怖そう…。

 

まぁ、それはわざとではなくて、

若い頃から格闘技をされていた、視覚の問題でまぶしいからサングラスをしている、

髪を洗うのに角刈りが楽だから、喋り方も顔も元々…

というのが全ての理由のようです。

 

N先生と一緒に道を歩いていると白杖を持っているから…ではないと思われる理由で、

道行く人がサーっと道を開けてくれるというシーンに何度か出くわしました(笑)

 

そんなN先生、腕も知識もあり、数ヶ月先まで予約が取れないカリスマ先生です。

 

 

ものごとに白黒を付ける必要はない

 

私は以前、自分の鍼灸院を開業するに当たって、何か専門性を付けた方が良いのではないかと

悩んでいました。

 

世の中には『腰痛専門』、『頭痛治療専門』、『美容鍼ならお任せください!』というように、専門性を強く打ち出している鍼灸院がたくさんあります。

鍼灸学校を卒業後、初めて本格的に修行させて頂いた治療院も『不妊治療専門』鍼灸院でした。

方針がはっきりしている方がクライアントさんが鍼灸院選びに

迷わなくて良いと考えていました。

 

しかし、若い頃、自分が何を専門にすべきなのか、悩んでしまったのです。

 

『腰痛専門』としてしまったら、肩こりの方がいらっしゃらなくなるのではないか、

『頭痛治療専門』としてしまったら、普段の健康維持のために

通って来てくださっている方が来づらくなるのではないかなど…。

 

私は今の辛さをただ取ってくれればいいという方も、

お話をしながら治療をして、身も心もスッキリとして帰りたいという方も、

どちらのタイプのクライアントさんにも来て頂きたいと思っていました。

 

そして、N先生に、以前、こんな質問をしました。

その頃はせめて慰安と治療、どちらかを選ばなければならないと思って悩んでいました。

 

私: 先生のところにはどんなクライアントさんが来ますか?

 

N先生:

 

肩が凝ったって言うおばちゃんも来るし、腰痛やて言うおじさんも来る、痩せて小顔になってキレイになりたい言うお姉ちゃんも来るし、たくさん喋りまくって喋りに来たんか思うようなおばあちゃんもおる、いろいろや。

 

そのお返事を伺った直後は、すぐに「ピン!」と来なかったのですが、

何年も何回も何百回もこの言葉を反芻するうちに、

「そうか!」と思うようになりました。

 

白か黒かははっきりしなくても良い!治す治療院!リラックス系治療院!と分ける必要なんてなくて、ワタシ色のワタシの施術を受けに来てもらう治療院で良いのだ!

と思ったのです。

 

 

まとめ

 

その後、うちの治療院にいらしている方はこんな感じです。

 

仕事でマウスを使いすぎて肩こりでつらくていらっしゃる方、

ゴルフが上達したいからメンテナンスにいらっしゃる方、

ただただ腰痛を楽にしてほしいという方、

仕事の合間にリフレッシュにいらっしゃっている方、

潰れないか心配していらしている方などなど…。

 

色々なタイプの方が、少し留まり、通り過ぎる場所となりました。

 

鍼灸院の方針は的を絞って、コンセプトはしっかりと…と開業当初思っていましたが、

私の場合、なかなかそんなに格好良くも行かず、

あらゆる年齢層の、様々なお仕事の、いろんなタイプの方がいらっしゃっています。

 

そして、それで良いと私は思っています。

 

もちろん、専門性を絞ってやっていらっしゃる治療家の方は、

その道を極めていて素晴らしいと思います。

 

そういう治療院が向いているクライアントさんもいらっしゃいます。

 

ご自身がシックリ来る治療院をクライアントさんも選んでよいと思います。

そこも白黒を付ける必要はないと思っています。